うなぎを夏に食べるのはなぜ?土用の丑の日の由来と栄養を解説

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連日の暑さで、なんとなく食欲がわかない。そんな夏のある日、職場の雑談で「そろそろ土用の丑の日だな」という話題が出て、帰り道にふと思ったことはありませんか。

「そういえば、どうして夏にうなぎを食べるんだろう」。コンビニやスーパーにうなぎが並び始めると毎年目にする光景なのに、その理由まではあまり考えたことがない人も多いはずです。

この記事を読めば、夏にうなぎを食べる習慣がどこから生まれたのか、そして暑い季節にうなぎが選ばれてきた理由が、歴史と栄養の両面からすっきりわかります。

 

【この記事で分かること】

  • 夏にうなぎを食べる習慣が生まれた由来と土用の丑の日の意味
  • うなぎが夏に親しまれてきた栄養面の理由
  • 天然と養殖で異なるうなぎの旬と、夏のうなぎの楽しみ方

 

うなぎを夏に食べるのはなぜ?習慣の理由を解説

夏にうなぎを食べるのは、夏の「土用の丑の日」にうなぎを食べると夏バテを防げるとされてきた風習が由来です。この習慣は江戸時代に庶民の間へ広まり、現代まで夏の風物詩として受け継がれてきました。

 

1-1. 夏の土用の丑の日とうなぎの関係

夏の土用は、一年でもっとも暑さが厳しくなる時期と重なります。昔から体調を崩しやすいこの季節は、食べ物に気を配って体をいたわる「食い養生」が大切にされてきました。

そうした養生の風習の中で、滋養のある食べ物として注目されたのがうなぎです。脂がのって精のつくうなぎは、暑さで弱った体を支える食材として、夏の土用の丑の日に食べられるようになっていきました。

 

1-2. 平賀源内の宣伝が広めたという説

土用の丑の日にうなぎを食べる習慣が一気に広まったきっかけとしては、江戸時代の蘭学者・平賀源内が関わったという説が有名です。

当時、こってりとしたうなぎの蒲焼きは夏には売れにくい商品でした。売り上げに悩んだうなぎ屋が平賀源内に相談したところ、「本日 土用丑の日」と書いた張り紙を店先に出すよう勧められ、これが評判を呼んで大繁盛したと伝えられています。やがて他のうなぎ屋もまねをし、夏のうなぎが定着したというものです。

このほか、土用に作ったうなぎが日持ちしたという「春木屋善兵衛」の説など、由来には複数の言い伝えがあります。いずれも確かな記録が残っているわけではなく、諸説あるとされています。

 

出典:農林水産省 aff(あふ)

 

土用の丑の日とは?2026年はいつなのか

土用の丑の日とは、季節の変わり目を表す「土用」の期間にめぐってくる「丑の日」のことです。一般には夏の土用の丑の日を指すことが多く、2026年は7月26日にあたります。

 

2-1. 「土用」と「丑の日」の意味

「土用」は、古代中国の五行説に由来する考え方です。五行説では万物が木・火・土・金・水の五つの要素から成り立つとされ、四季にもそれぞれの要素があてられました。そして季節と季節の間にあたる期間が「土」、すなわち土用と呼ばれています。

土用は立春・立夏・立秋・立冬それぞれの前の約18日間を指し、一年に4回あります。なかでも梅雨明けと重なる夏の土用は、暑さで体調を崩しやすいことから古くから重視されてきました。

一方の「丑の日」は、十二支を日にちに割り当てたときの「丑」にあたる日のことです。十二支は12日で一巡するため、約18日間の土用の中に丑の日が訪れることになります。

 

2-2. 2026年の夏の土用の丑の日と一の丑・二の丑

土用は約18日間あるため、年によっては期間中に丑の日が2回めぐってくることがあります。その場合、1回目を「一の丑」、2回目を「二の丑」と呼びます。

2026年の夏の土用の丑の日は7月26日の一日のみで、二の丑はありません。年によって日付が変わるため、その年の丑の日を確認しておくと、うなぎを楽しむ予定も立てやすくなります。

 

夏にうなぎが選ばれる理由は栄養にあった

うなぎが夏に親しまれてきたのは、ビタミンAやビタミンB群をはじめとする栄養素を豊富に含むスタミナ食材だからです。暑さで食欲が落ちやすい季節に、効率よく栄養を補える食べ物として重宝されてきました。

 

3-1. うなぎに多いビタミンAとビタミンB群

文部科学省の食品成分データベースによると、うなぎの蒲焼き100gあたりにはビタミンAがレチノール活性当量で1500μgRAE含まれています。これは成人が一日に必要とする量を十分に満たす量です。ビタミンAは皮膚や粘膜の健康を保つ働きで知られています。

さらに、糖質や脂質の代謝に関わるビタミンB1・B2などのビタミンB群も含まれています。栄養をエネルギーに変える働きを助けるこれらの成分が、夏のスタミナ食というイメージにつながってきたといえます。

もちろんうなぎは食品であって薬ではないため、食べてすぐに体調が劇的に変わるものではありません。それでも、暑さで偏りがちな夏の食事に彩りと栄養を添えてくれる、頼もしい食材であることに変わりはありません。

 

出典:文部科学省 食品成分データベース(うなぎ・かば焼)

 

3-2. 万葉集にも残る「夏痩せにうなぎ」の知恵

夏にうなぎを食べる発想は、実はかなり古くまでさかのぼります。奈良時代に成立した日本最古の歌集『万葉集』には、大伴家持が夏痩せした知人にうなぎを勧める歌が残されています。

「石麻呂に 吾れもの申す 夏痩せに よしといふものぞ 鰻とり食せ」という一首で、痩せた相手に「夏痩せに良いといわれるうなぎを捕って食べなさい」と詠んだものです。少なくとも奈良時代には、うなぎが夏の滋養食として認識されていたことがうかがえます。

 

 

「う」のつく食べ物とうなぎ以外の夏の風習

夏の土用の丑の日には、「う」のつく食べ物を食べると夏負けしないという言い伝えがあります。うなぎはその代表格ですが、ほかにも夏を乗り切るための食べ物や風習が伝えられてきました。

 

4-1. うどん・梅干し・瓜など縁起のよい食べ物

古くから、丑の日に「う」のつく食べ物を食べると縁起がよく、無病息災につながると考えられてきました。うなぎのほかに代表的なのが、うどん・梅干し・瓜(きゅうりやすいかなど)です。

うどんは胃腸にやさしくエネルギーを補いやすく、梅干しは食欲を支える酸味が魅力です。瓜類は水分が多く、夏の体を内側から整えるのに向いているとされます。いずれも、暑い季節に理にかなった食べ物といえます。

 

4-2. 夏の土用にまつわるその他の風習

夏の土用には、食べ物以外にもさまざまな風習があります。梅雨明けと重なる時期にあたるため、衣類や調度品の湿気をとる「土用の虫干し」は、その代表的なものです。

また、うなぎとあわせて味わうしじみは「土用しじみ」と呼ばれ、夏に旬を迎えるものとして親しまれてきました。うな重にしじみの味噌汁を添える組み合わせは、土用の丑の日らしいぜいたくな食卓といえるでしょう。

 

夏のうなぎを外で味わうなら

由来や栄養を知ると、今年の夏は本格的なうなぎ料理を味わいたくなってくるものです。家庭で用意するのもよいですが、旬の味覚と一緒にうなぎを楽しめるコース料理なら、土用の丑の日の食卓がいっそう特別なものになります。

 

5-1. コース料理でうなぎと旬の味覚を楽しむ

「はなの舞」「さかなや道場」などを展開するチムニーグループでは、夏限定の「夏のプレミアムコース」が用意されています。うなぎを含む夏の味覚を、刺身や旬の食材とともに楽しめる内容です。

たとえば「うなぎの棒めしと玉子焼き」を含む8品のコースや、「うなぎの棒めし いくら添え」に茹で本ズワイガニまで付いたコース、夏らしい「うざく」を盛り込んだコースなど、用途に合わせて選べます。仲間や家族との夏の集まりにもぴったりです。

夏のプレミアムコースの詳細・実施店舗はこちらからご確認いただけます。

 

 

 

※価格はすべて税込表記です。

※実施店舗によってコース内容が異なる場合がございます。

 

 
 

 

よくある質問

Q. 2026年の夏の土用の丑の日はいつですか?

A. 2026年の夏の土用の丑の日は7月26日です。この年は二の丑がなく、夏の丑の日は1回のみとなります。土用は約18日間あり、丑の日が2回ある年は一の丑・二の丑と呼ばれます。

 

Q. なぜ夏にうなぎを食べるのですか?

A. 夏の土用に体をいたわる「食い養生」の風習と、滋養のあるうなぎが結びついたためです。江戸時代に平賀源内が宣伝を勧めたという説をきっかけに、夏のうなぎが広く定着したと伝えられています。

 

Q. うなぎにはどんな栄養が含まれていますか?

A. うなぎにはビタミンAやビタミンB群、たんぱく質などが豊富に含まれています。文部科学省のデータでは、蒲焼き100gで一日に必要なビタミンAを十分に補える量が含まれているとされています。

 

Q. うなぎの旬は夏ではないと聞きましたが本当ですか?

A. 天然うなぎ本来の旬は秋から冬とされています。ただし現在流通するうなぎの多くは養殖もので、季節を問わず脂ののった状態で味わえるため、夏でもおいしいうなぎを楽しめます。

 

Q. うなぎ以外に土用の丑の日に食べるものはありますか?

A. 「う」のつく食べ物が縁起がよいとされ、うどん・梅干し・瓜などが食べられてきました。夏に旬を迎えるしじみを「土用しじみ」として味わう習慣もあります。

 

まとめ

夏にうなぎを食べる習慣は、季節の変わり目に体をいたわる「土用の食い養生」と、滋養のあるうなぎが結びついて生まれたものです。江戸時代の平賀源内の宣伝説をきっかけに広まり、現代まで夏の風物詩として続いてきました。

うなぎにはビタミンAやビタミンB群が豊富で、奈良時代の万葉集にも夏痩せに勧める歌が残るほど、古くから夏の滋養食として親しまれてきました。本来の旬は秋冬ながら、養殖うなぎのおかげで夏でも脂ののった味わいを楽しめます。

由来や栄養を知れば、今年の土用の丑の日はいっそう味わい深いものになるはずです。夏のうなぎを存分に楽しむ一日にしてみてください。