年末が近づくと、職場や友人同士で忘年会の予定が増えてきます。
 
しかし、ここ数年で飲み会の機会が減ったこともあり、新社会人の方や若手の方の中には、
「忘年会って何をする場なの？」
「どんな話題を用意すればいいんだろう…」
と不安に感じる人も少なくありません。
 
本記事では、忘年会の起源となった歴史から、その本来の意味、そして当日を楽しむための会話のコツまで、分かりやすく解説します。
初めて参加する方でも、気負わず自然に楽しめるようになる“忘年会の基本”が丸ごと分かる内容です。

忘年会とは、一年の締めくくりとして「その年の苦労を忘れ、労をねぎらうため」に年末に行われる宴会のことです。
 
もともとは、その年の嫌なこと・大変だったことをいったん忘れ、前向きな気持ちで新しい年を迎えるための行事でした。
 
近年では、職場・友人・サークルなど幅広いコミュニティで行われる“年末イベント”として定着しており、単なる飲み会というよりも、メンバー間の親睦を深めたり、一年の振り返りを共有したりする場として活用されることが多くなっています。
 
特に企業の忘年会では、普段あまり話せない人と交流できる貴重な機会でもあり、新年に向けて良い空気感をつくる重要なイベントともいえます。

忘年会は長い歴史の中で少しずつ形を変え、現在の「年末の宴会」としての文化が形成されてきました。
 

鎌倉〜室町時代：貴族文化の中で生まれた「年忘れ」

忘年会の起源とされる最古の記録は鎌倉時代まで遡ります。
 
当時の“年忘れ”は酒席ではなく、貴族や武家が和歌を詠み合いながら一年を振り返る文化的な会合でした。
特に新年を迎えるにあたって、厄や煩わしさを祓う意味を持つ「年礼（としごい）」の一環として行われたとも考えられています。
 
室町時代になると、連歌や詩歌の会として形式が発展し、より広い階層で“年の区切りを意識する行事”として浸透していきました。
 

江戸時代：庶民に広まり「年忘れの宴会」へと発展

現在の忘年会に最も近い形が広まったのは江戸時代です。
庶民の間で「年忘れ」という言葉が一般化し、酒や料理を囲みながら一年の苦労を忘れるための宴会が行われるようになりました。
 
都市部の町人文化が発展したことで、仕事仲間や近所付き合いの中で自然と集まる習慣が生まれ、それが年末行事として定着していきます。
またこの頃には、現代にも残る「一年の厄を払い、新年を良い形で迎えたい」という思想がより強調され、娯楽としての要素が大きくなりました。
 

明治〜昭和：企業文化とともに“会社の恒例行事”として確立

明治時代以降、企業制度の発展とともに忘年会は“職場の行事”として拡大します。
ビジネス文化が根付くにつれ、チームの団結力を高めたり、上司と部下がコミュニケーションを取る場として忘年会が積極的に活用されるようになりました。
 
昭和に入ると、かくし芸大会やゲーム、表彰などエンタメ性のある要素が加わり、会社のクリスマス会にも匹敵する大型イベントとして定着します。
特にバブル期には豪華な宴会が行われ、現代の忘年会のイメージが確立した時期とも言えます。
 
参考：レファレンス協同データベース「忘年会の語源について、日本で最初にこの言葉が使われたのは、夏目漱石の『吾輩は猫である』とインターネットで見た。この語源説が正しいかどうかを知りたい。」

忘年会は、時代を超えて「一年を区切り、新しい年へ気持ちを切り替えるための行事」として受け継がれてきました。
 
起源を踏まえると、現代の忘年会も単なる飲み会ではなく、その年を振り返り、互いの距離を縮める“リセットの場”として活用するとより充実した時間になります。
 
そのためにも、いくつか“話題の引き出し”を持っておくことが大切です。
 

今年一年の振り返り

忘年会のルーツにもつながる“振り返り”の話題は、自然とその場を和ませてくれます。
 
・今年挑戦したこと、成長したこと
・仕事やプライベートで印象に残った出来事
・チーム全体としてのハイライト など
 
ポジティブな話を中心に広げると、会話が前向きなムードになります。
相手の価値観や努力が見えるため、距離が縮まりやすい話題です。
 

来年の目標・楽しみにしていること

一年の区切りを意識する忘年会の場では、「来年何をしたいか？」という未来の話題もスムーズに展開できます。
 
・来年やってみたいこと
・習慣にしたいこと
・行きたい旅行先や挑戦したい活動 など
 
これらのテーマは相手のパーソナリティが見えやすく、未来志向の明るい雰囲気をつくれます。
「～さんは週末何かされるんですか？」や「いつもお休みの日は何をされているんですか？」などシンプルに話題にすると、相手も答えてくれます。
どんな答えが返ってきてもその後の会話が続けやすく、そこから一気に深掘りして盛り上がるなんてことも！
 

休日の過ごし方や趣味の話

定番ながら、もっとも広がりやすい話題です。
 
・最近ハマっている趣味
・週末のリラックス方法
・おすすめの映画・ドラマ・スポーツ など
 
趣味の話題は共通点が見つかりやすく、会話のきっかけとして最適です。
 

その他の話題

出身地トークは鉄板の盛り上がりネタで、方言やご当地グルメの話題は誰でも話しやすく共通点も見つかりやすいテーマです。
スポーツ・エンタメ・SNSで話題の軽い時事ネタも会話の“取っかかり”として便利ですが、賛否が分かれやすい話題は避けるのが安心です。
 
また、簡単なミニゲームや“今年を一言で表す”といった小企画は、場を温めるスパイスとして効果的。
昭和の忘年会のような大げさな出し物は不要ですが、雰囲気が合えば取り入れてみると会話が自然と広がります。

Q. 忘年会は参加必須？断ってもいい？
A. 必須ではありません。体調や予定など正当な理由があれば、丁寧に伝えて断っても問題ありません。

Q. 忘年会では何を話せばいい？
A. 「今年の出来事」「来年の目標」「休日の楽しみ」など軽い話題が無難。政治・宗教などは避けるのが安心です。

Q. 忘年会の起源は？
A. 鎌倉時代の和歌の会が原点。江戸で庶民に広まり、明治〜昭和にかけて会社の恒例イベントへ発展しました。

Q. 幹事はまず何をすればいい？
A. 人数確認 → お店選び → 予算決定 → 当日の進行確認、の順で準備するとスムーズです。

Q. 忘年会で気をつけるマナーは？
A. 飲み過ぎ・遅刻・無断欠席はしないようにしましょう。上司への挨拶と、ネガティブな話題を避けると安心です。

忘年会は、単なる年末の飲み会ではなく、古くは和歌を詠んで一年を振り返った文化に始まり、時代とともに“区切り”と“つながり”を生む場として発展してきました。
現代の忘年会でも、その本質は変わりません。これまでの一年を前向きに整理し、仲間との距離を縮め、来年へのエネルギーをつくる大切なイベントです。
 
事前に少しだけ話題の引き出しを準備しておくだけで、初対面でも気まずさが減り、会話が自然と弾むようになります。
歴史の背景や楽しみ方を知って参加することで、忘年会はもっと温かく、意味のある時間に変わります。
 
忘年会の準備や幹事業務をもっとスムーズに進めたい方は、以下の記事も参考になります。
早期予約のコツや店選びのポイント、挨拶の例文など、実務で役立つ情報がまとめられていますので、ぜひチェックしてみてください！
 

▼忘年会の予約は10・11月が狙い目！幹事必見の早期予約で失敗しないコツ

▼大人数・貸切にもおすすめ！幹事必見の居酒屋選び完全ガイド

▼幹事様必見！忘年会の挨拶の基本(例文つき)

▼忘年会と納会の違いってなに？ 幹事が知っておきたい意味と準備のポイント

 
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